リフォーム・建築 不動産記事

コンクリート打ちっぱなしの建物って大変~誤魔化しがきかない~

投稿日:2021-02-23 更新日:

昔、全面コンクリート打ちっぱなしの物件を施工した時、職人さんと一緒に型枠をひたすら叩いたのはいい思い出です

 

どーも、Ponchaです(‘ω’)

 

前回、コンクリート打ちっぱなしのお部屋についてご紹介しましたところ、

『コンクリート打ちっぱなしの建物って何が大変なんですか?』

といったご質問が多数いただきました!

 

ということで今回は

コンクリート打ちっぱなしの建物について詳しくお話ししたいと思います。

 

あまり専門的なお話になってしまってもつまらないので、知っておいて損が無いような感じでご説明したいと思います。

コンクリート打ちっぱなしの建物については、こちらを参考にどうぞ。

コンクリート打ちっぱなしのお部屋に住む~コンクリート打ちっぱなしのお部屋の注意点~

 

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そもそも鉄筋コンクリートの建物って!?

コンクリート打ちっぱなしの建物については、下記の記事を参考にして見て下さい。

コンクリート打ちっぱなしのお部屋に住む~コンクリート打ちっぱなしのお部屋の注意点~

コンクリートと鉄筋で形成されている建物を鉄筋コンクリート造(RC造)といいます。

まず、コンクリート打ちっぱなしの建物を知るには、鉄筋コンクリート造の建物を作る流れを知る必要があります。

コンクリート造の建物の流れについてですが、

・コンクリートを流し込む場所、鉄筋を組む場所の位置だし(墨だし)

・鉄筋を組む(鉄筋組)

・型枠を建てる(型枠建て込み)

・コンクリートを流しこむ(コンクリート打設)

・型枠をばらす

この一連の流れを繰り返し行い、建物の骨組みを作っていきます。

鉄筋コンクリート造って何故、コンクリートの中に鉄筋を入れないといけないかというと、簡単に言うと構造上、コンクリートの弱い性質を鉄筋が補い、鉄筋の弱い性質をコンクリートが補っているからです。

その他にも理由はいくつかありますが、簡単に言うとそういった理由です。

鉄筋コンクリート造は、こうして床、柱、梁、壁を形成していきます。

 

コンクリートの品質管理は徹底している

コンクリートというのは、現場で造るものです。

コンクリートって生モノなんですよね。

だから生コンクリートって呼ばれているんです。

で、その生コンクリートが固まり、コンクリートとして出来上がるんです。

そこで少しでも品質の悪い物ができてしまったら、構造上問題があり、欠陥住宅が出来上がってしまいます。

コンクリートの固まった後の強度は全て、打ち込む前の試験にてチェックしています。

そこで必要な強度が出せないと、欠陥住宅になってしまうので、取り壊してやり直す必要があります。

強度の出なかったコンクリートをそのまま放置するわけにもいきません。

簡単に取り壊すと言ってますが、壊す費用、新しくやり替える費用、時間など考えるととても現実的ではありません。

そのならないために、事前に入念な計画を立てます。

昔は、コンクリートを打設する日を祭りといって、良いコンクリートを打設するために朝からいろんな業者さんが騒いでいた時代もあったんですよね。

今は、近隣さんに迷惑が掛かってしまうのもあるので、騒いだりはできませんが、コンクリートを打設する日は、朝早く集合して不備が無いか、ちゃんとした計画で作業できるかをチェックしています。

コンクリート打ちっぱなしは、施工が大変!

長々とコンクリートの打設についてお話ししましたが、それだけ計画をして徹底し行ってもやっぱり現場でコンクリートを形成する以上、どうしても仕上がりにばらつきは出てきてしまいます。

もちろん、構造、強度には問題ありませんが、見た目の仕上がりは型枠をばらしてみないとわからないものなんですね。

コンクリート打ちっぱなしの建物というのは、そういった厳しい条件で仕上げたコンクリートを、そのまま仕上げとするわけです。

通常の建物の仕上がりには、タイルを貼ったり、塗装をしたり、壁紙を貼ったりして、最終的にコンクリート自体が見えることはありません。

なので、コンクリートの仕上りが多少見栄えが良くなくても、隠れてしまうのでわからないんですよね。

それに対して、コンクリート打ちっぱなしの建物というのは、コンクリートを流し込んでそのまま仕上がりになりますし、模様や見栄えがそのままになるので、失敗が許されないんですよね。

どんな模様になろうが、見栄えが悪かろうがそれが仕上がりですから。

さらに、コンクリートの形成というのは、現場で初めて造られるものなので、気温や流し方、計画、時間、種類で全く違った仕上がりになります。

失敗したからといって、補修をしようとしても色が合わない、明らかに直したというのが誰が見てもわかるぐらい目立ってしまいます。

わかりやすく言うと、皆さんが絵の具を使って絵を書くとき一切の訂正なしで一発で描いて仕上げる感じです。

コンクリート打ちっぱなしの仕上げというのは、まさしくそんな感じです。

そのため、通常のコンクリート打設以上にコンクリート打ちっぱなしの建物の方が、更に綿密な計画を練る必要があるんです。

コンクリート打ちっぱなしの物件が多くないのはなぜか!?

ただ、コンクリート打ちっぱなしの物件はデザイナーズマンション、オシャレといった物件として大変人気があります。

そんな人気のある物件ですが、町を歩くと気づくと思いますが、コンクリート打ちっぱなしの物件って実際そこまで多くないです。

今ご説明した事を考えると、何故コンクリート打ちっぱなしの物件が多くないかわかりますよね。

品質管理はめちゃくちゃ大変、施工技術は求められる、けれども絶対に上手くいくという保証が無い

一種の博打みたいなものですから、施工する側が正直嫌がるんですよね。

失敗すれば、何を言われるかわからないですから。

そのため、コンクリートを打設した後、コンクリートが隠れるような仕上がりにしたがるのでそこまで多くないんですよね。

工程上はコンクリート打ちっぱなしの方が楽

その中で唯一施工する側が喜ぶのは、コンクリート打ちっぱなしの場合は、コンクリートを打設し、型枠をばらしたらそのまま仕上がりになるわけですから、そのあとに続く作業がありません。

タイルを張るにしろ、塗装を塗るにしろ、コンクリート打設後養生期間を考慮し、下地を調整、そこから仕上げ作業を行う為、コンクリート打ちっぱなしと比べると時間がかかります。

費用もコンクリート打ちっぱなしの仕上げの方が安く済みますが、コンクリートを打設する際の打設要員や型枠工事など、別の箇所で通常の費用より割高になるので、費用を抑えるためだけでコンクリート打ちっぱなしを選択するのはおススメしません

コンクリートの壁にある複数の丸いくぼみって何か?

ちょっと話を変えて、コンクリート打ちっぱなしの壁を見ると、縦横綺麗に規則正しく丸いくぼみがあるかと思います。

これって皆さん何かご存知ですか?

Pコンと呼ばれるものです。

簡単にご説明すると、コンクリートを形成する際にコンクリートを抑える型枠を固定するための穴です。

ちなみに、この丸いくぼみの中には、型枠同士を固定するために必要な金属の棒が入っています。

なんでこのPコンが必要なのかを説明すると型枠についてもご説明することになるのと、かなり専門的な話になるので別の機会に書きたいと思います。

このPコンは、型枠を固定する上で必要なものでどうしても、見えてきてしまいます。

隠そうとしても、そこだけ補修をすればそのまま仕上がりになりますから、めちゃくちゃ目立ちます。

ならいっそうのこと、縦横揃えて一つのデザインにしたらきれいじゃん!

ってなり、今のコンクリート打ちっぱなしの外壁のデザインとして成り立っています。

なので、それぞれのPコンの位置の寸法など全て計算し計画しています。

型枠がコンクリートの圧で破裂しない位置で、綺麗に並べられているとか、色々計算されているんです。

まあ、めんどくさい(笑)

中には、Pコンなしの方が綺麗じゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、実際の仕上げではないのですが見たことがあります。

超ダサい(笑)

というか、なんか魅力が無い感じですね。

無機質なグレーの壁があるだけという感じで変でした。

多分Pコンの跡をデザインとして取り入れたのも、コンクリートだけの壁だけだと変ということを、先人は感じて取り入れたと思いますね(笑)

実は、コンクリート打ちっぱなしは、ごまかせる方法がある

失敗が許されないコンクリート打ちっぱなしの物件ですが、実は補修しごまかせる方法があるんですね。

まあ、それはそうですよね。

コンクリート打ちっぱなしの物件なんて、通常の建物に比べて少ないと言えど、かなりの数存在します。

それを毎度毎度、綺麗に仕上げるなんてそりゃ無理な話です(笑)

そんな毎回精度が高くコンクリート打ちっぱなしができるのであれば、みんなコンクリート打ちっぱなしの仕上げにしてますね。

実際のところ毎回うまくいくわけでもなく、色が変わってしまったり、打ち継ぎの跡が見えてしまったり、表面にちっちゃい穴が開いてしまったりと様々あります。

多少の色違いとかは、ある意味自然現象ということで、それもまたコンクリート打ちっぱなしの良さでということで片づけますが、明らかに補修をしないといけないときもあります。

もちろん小手先の補修をすれば、そこだけめちゃくちゃ目立ちます。

中にはそれで仕上げる人もいますが、大体はコンクリート打ちっぱなし補修屋さんに依頼をします。

まんまの名前(笑)

コンクリート打ちっぱなしの補修屋さんは、コンクリート打ちっぱなしの柄を作ってくれます。

色をある程度調整しあわせ、無数に空いたスポンジのようなものに染み込ませて、壁にパタパタと叩きます。

そうすると、コンクリート打ちっぱなしの柄が綺麗に描かれます。

使用している材料や道具は完全企業秘密で、費用も結構いい金額します。

やっぱり特殊な業種の作業ですから、当然と言えば当然です。

ただ、これを広い範囲にやってしまうと一気に作り物感が出てきてしまいます。

たまに、打ちっぱなしの仕上げ見て、すごくきれいだなと思って近くで見ると、大体全体的に補修を掛けていることが多いです。

綺麗であることに間違いないはないですが、やりすぎは逆に不自然ですね。

コンクリート打ちっぱなしの魅力は、完璧すぎず微妙な模様の違いが存在するから味が出ていいと言われています。

私は、ぶっちゃけ全部補修した方が全部綺麗でいいのにって昔は思っていました(笑)

物件を多く見ているうちに、打ちっぱなしの補修すると作り物って感じがして、やっぱり自然のままのコンクリート打ちっぱなしの方がいいなーと感じるようになりましたね。

こだわりを持ったプロの考え方と、なにも気にしない方の考え方は違うので何とも言えませんけど(笑)

それは補修屋さんも同じことを言っており、ポイント、要所要所でやるから本来の良さが引き出せるとのこと。

世の中には、こういったかなり専門的な業種があり、ビジネスとして成り立つことを改めて実感しましたね。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は、コンクリート打ちっぱなしの物件について、施工する側の観点として裏側をお話しさせていただきました。

 

べつに知る必要はありませんが、ちょっとした知識として頭に入れておくだけで、視点が変わりますね!

 

近年は情報に溢れています。

相談する場所はいっぱいありますが、結局のところ自社で依頼をしてくれようとする集客方法に過ぎません。

不動産、リフォームや新築などご不明点やわからない箇所がわからないなど、初歩的なところからプロの方までご相談のっております。

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おかげさまで、大変多くのご依頼有難うございます!

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