【第2回】建て方とは？木造戸建てで最も段取りが重要な工程を徹底解説！ Poncha Blog 建築・相談所

上棟した時の上棟式にやたら顔出しまくって、ただ酒を飲んでたあの頃が懐かしい・・・。

どーも、Ponchaです(‘ω’)

前回は、家づくりの“土台中の土台”ともいえる「基礎工事」についてお話しました。

そして今回ご紹介するのは、いよいよ現場が一気ににぎわいを見せる…そう、

建て方（たてかた）についてです！

建て方という言葉、聞き慣れない方も多いかもしれませんが、

これは家の「骨組み」を一気に組み上げる、とても重要な工程です。

特に木造住宅では、大工さんが一斉に集まり、クレーンも登場して、

まさに“現場の祭り”のような様相を見せるタイミングでもあります。

ただし見た目の派手さとは裏腹に、この建て方、**実は「段取り命」**な工程なんです。

クレーンや運搬車の配置、プレカット材の確認、足場の設置タイミングなど…

ひとつでもミスがあると、その日の作業がまるごと飛んでしまう、なんてことも珍しくありません。

ということで今回は、

【第2回】建て方とは？木造戸建てで最も段取りが重要な工程を徹底解説！

というテーマでお話をしていきたいと思います！

現場のリアルと共に、事前に知っておきたい注意点なども含めて

深掘りしていきたいと思います！

下記の記事も参考にしてみて下さい！

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1 建て方は、事前段取りが重要
2 最近の現場は狭小地が多い
3 建て方
4 組みあがったら確認をする
5 建て方の前後に足場組
- 5.1 建て方完成後の足場組とは？
6 建て方完了までは天候との闘い
7 基礎工事の工程のずれは、建て方でリセット
8 まとめ

建て方は、事前段取りが重要

建て方とは、

簡単に言うと建物の骨組みを作る

です。

建て方という言葉は、

木造や鉄骨造の建物で用いられる用語です。

ちなみに木造でも

在来工法（柱や梁などの骨組み）と

2×４工法（ツーバイフォー）

でスピードが異なります。

とはいえ、

大工さん主体で行いますが、作業に入るととても速く

事前段取りがとても大事となります。

特に重要なポイントは、

クレーンのサイズと配置

材料を運ぶ運搬車の進入経路とその配置場所

建て方にかかる日数

プレカットのチェック

上記の内容は、必ず確認しておく必要があります。

作業の流れというよりも、作業を円滑に行えるようにするための周辺環境のチェックや日数ですね！

作業についての内容は一切書いていませんが、

正直上記の内容を抑えておけば、

ひとまず建て方中に大きな問題はおきません。

というのも、大体建て方の作業中に起きる問題というのは、上記の内容を怠ったことが原因です。

・現場にレッカーが配置できない、

・運搬車が搬入できない

・レッカーを依頼した日にちが足りなかった

・プレカット図が違う

まあ、あるあるですね！

上記の内容は、事前に確認さえしておけば回避できる内容ですし、

そこまで手間がかかる作業ではありません。

しかし、上記の確認を怠り、問題が発生した時のリスクは尋常ではありません。

シンプルにその日に作業ができない！

ということも珍しくありません。

そうなると、その日にかかったお金はすべて無駄になる上、

別に日行うとしても、同じ費用が再び掛かります。

そして、何より工程に大きく影響します。

建て方は、

天候の影響を受ける前に仕上げる必要があり、短時間で仕上げます。

そのため、多くの大工さんで作業をおこなうので、多くの大工さんが応援にきます。

さらに、レッカーをレンタルしたり、材料を運搬する運搬車にも予定があります。

それを、今日出来なかったので

明日お願いします

と、簡単に手配できるものではありません。

こういったことが起きないように、

事前調査、

確認

は怠らないようにしましょう。

また建て方というのは工程上では、

重要な作業工程

になります。（クリティカルパス）

工程を作る上で、建て方は重要作業になるため

日にちを決めたら動かしにくい工程です。

基礎工事が遅れたから遅らそー！とか、

基礎工事が早く終わったから早めよう！

などが簡単にできないわけです。

ですので、工程を作る上では、基礎工事の完了日と建て方の開始日をどこに設定するかが大変重要となります。

最近の現場は狭小地が多い

昔に比べて現在は、条件の良い敷地

というのは、かなり少なくなりました。

特に東京都などの都心部の土地というのは、狭小地ばかりです。

それに伴って、施工技術も上がったため、

ちょっとのスペースでもあれば、建物が建てられる！

という状態になりました。

そのため最近の現場の周辺の条件は、本当に良くないですね。

道が狭い

敷地が狭い

とにかく狭い！！

かといって、狭いからできません！

なんて言えるわけないので、どうすれば施工できるかを考えます

それがプロの仕事です。

木造の住宅を新築する際、一番大きい重機や運搬車を使うタイミングは

建て方になります。

そのため現場に

レッカー

運搬車

が入るかを確認し、

重機や運搬車のサイズを調整したり、

進入経路、重機をどこにどのように配置するか

といった入念な計画を練る必要があります！

建て方

ではでは、本題について入りたいと思います！

基礎工事が終わり、埋め戻しが完了したら、いよいよ、

建物の骨組みとなる建て方

になります！

RC造の場合は、基礎工事と同様に、

鉄筋

型枠

コンクリート

といった流れで、床、壁、天井を各階ごとに現場で作り上げていきます。

そのため、RC造の場合、各階ごと工事に日数がかかるため、

上棟（躯体工事完了）するまで時間がかかります。

それ対して木造の場合は、骨組みをどんどん組立ていき、一気に家の骨組みを作り上げます。

今は

プレカット

と言われる事前に工場で材料をすべて加工をし、現場に運ばれるため、

現場では無駄な加工をせずに、とにかく組み立てていく！

という作業になります。

どでかいプラモデルみたいな感じです！

余計な加工がないため、通常の戸建てサイズのだと、１日～３日程で上棟します。

基礎しかなかった場所に、たった数日の間で家の形が出来上がるわけなんです！

はや！

って思う人も多いと思うのですが、

そう！木造は本当に早いんんです！

私はもともとRC造の新築の現場をやっていましたが、

木造の建て方のスピードを見た時は

余りの速さに本当にびっくりしました。

気づいたら骨組み出来ちゃったよ～

って感じです！

上棟と言っても、あくまで骨組みだけですので、

2階床、

屋根下地

など併せて作業していきます。

今説明したのは、柱、梁で組み立てる在来工法についてです。

柱、梁が建物を支える構造のため、

壁などは、後回しになります。

それに対して、

2×4工法、

壁パネル工法の場合は、

壁自体が構造体となるため、1階ごとに構造体となる壁を建てて、2階へと進みます。

ちなみに、

壁起こし

と言います。

それでも、やはり、2日～4日程度で上棟することが多いです。

その後は、雨が入ってこないように、

屋根、

窓、

外壁

などを優先的に進め、仕上げ工事が始まります。

組みあがったら確認をする

建て方が完了したら、図面通りに建っているか確認する必要があります！

プレカットにて図面通りの材料が運ばれてくるので、

骨組みが間違っている！

ということは基本あまりありません。

工場で入念に確認しながら加工されているのと、

合わない部位があればそもそも組み立てることができないですからね！

では、何を確認するか。

補強金物が図面通りに取り付けられているか、

取付忘れが無いかなど

です。

補強金物は、予想以上に量があり、

作業は人間が行うで、

付け忘れ、

付け間違い

がちょいちょいあるんですよね。

建て方の作業中は、基本大工さんに任せることが多いのですが、

任せっきりにせず、確認も忘れず行うようにしましょう。

特定工程がある建物に関しては、

中間検査時にこういった補強金物が正確に取り付けられているか？

などのチェックもあるため、注意が必要です！

建て方の前後に足場組

建て方を行う前に、とても大事な作業があります！

それは

外周に足場を組む

作業です。

建て方の前に行う足場組は、

人が作業するための仮の足場

程度のものとなります。

ちょっと勘違いする人がいるのですが、木造の場合は、

建て方前に設置する仮の足場と、

建て方が完了した後にしっかりと組み立てる本足場があります。

建て方前の足場は、あくまで簡易的に設置する足場になるため、

補強がされていません。

ですので、強風とかで簡単に倒壊しやすいんですね！

なので、仮の足場が設置されたら数日以内に建て方を行うのが基本です。

で、建て方が完了して初めて足場が風などに煽られても問題ないように

固定したり、

補強したり

します。

仮の足場組のタイミングと建て方完了してからの足場組のタイミングも

しっかりと仮設工事屋さんと打ち合わせが必要です。

建て方完成後の足場組とは？

建て方が完了した後は、

足場をしっかり固定、

シート張り

行います。

工事中の現場って建物の周囲をシートで覆っていますよね？

あれって作業中が見えないよう隠しているわけじゃありません。

工事中は、目には見にくいかもしれませんが、

チリ

粉じん

などいろんなものが、めちゃくちゃ飛び散っています。

また、道具、材料が現場外に舞ってしまう危険性もあります！

そういった事故が起きないようにするために、

通気性のあるメッシュシートにて防護しているんです！

しかしメッシュシートと言えど、メッシュの隙間はめちゃくちゃ細かいため、

風の抵抗をもろに受けます。

つまり強風や台風の日でもメッシュシートを貼ったままにしていると、

風の影響を受けて、足場が倒壊するリスクがあります！

風が強い日というのは、シートを畳む作業をしなければいけません。

風圧で足場が建物を傷つけるのはもちろんですが、

足場自体が崩壊して周辺に被害を出すことも全然あります。

台風の時期にシートが足場に巻き付けられていたり、

的に畳んでいたりするのは、

風の影響を受けないようにする為です。

大体何か起きる時は、油断した時ですので足場が組みあがったら、

安全面にも目を光らせておく必要があります。

建て方完了までは天候との闘い

基礎工事も建て方も、外での作業の為、

基本雨が降ると作業できません。

工程の関係上、

配筋、

型枠

建て方

であれば多少の雨であれば、行うことは多いですが。

ただ、基礎工事の根切中の雨は天敵です。

基本土ですから、雨降ると現場がぐちゃぐちゃになるんですね。

汚れるし、滑るしから危ないしなどデメリットしかないです。

さらに通常の土と違って、

水を含んだ土は基本運搬できません。

トラックに土を積んでも、泥水が流れて道路が大変なことになりますからね！

運搬できても、産廃の関係上で引き取ってもらえないです。

ですので、梅雨の時期などに作業する場合は、

工程を作り方を入念に検討したほうが良い

と言えるでしょう。

で、建て方の場合は、とにかく室内に雨が入ってくるのを防がないといけないため、

屋根の下地までは何としてでも早く終わらせる必要があります。

工事中の雨はとにかく厄介なんです！

外壁も早急に作る必要もありますが、

とにかく直接雨がかかる屋根組み立てます。

内装工事に進むためには、内部に水が入らないようにする必要があり

屋根→外壁→サッシの順で雨が入ってこないように仕上げていきます。

基礎工事の工程のずれは、建て方でリセット

建て方の工程を考えるうえで一番厄介なのが、

いつから開始するか

ということです。

今までお話ししてきましたように、

建て方をする際、いろいろと段取りが必要なため、

基本ずらすことができません。

また、

基礎工事の天候などの予備日を含めた完了日と

竣工日から逆算、

仕上げ工事が間に合うタイミング

それぞれを照らし合わせて、

どの日に建て方を設定すれば問題ないか

を検討しないといけません。

早すぎても、

遅すぎてもいけない

ということです。

結果、基礎工事でずれた工程も結局、建て方の工程で一度リセットされます。

つまり、基礎工事を無駄に焦らせた早く終わらせたところで、

建て方の開始は基本早めることができないので、

竣工時の工程に直接影響が出てきません。

たまに工程を1日でも早くしようと基礎工事を焦らせる人がいますのですが、

正直無意味なんですよね。

建て方の時期を変更することが前提であるなら話は別ですが、

ただ急がしているのであれば、はっきりいって意味がないです。

もちろんぎりぎりに完了して、パツパツな工程になるよりは、

ゆとりある工程のほうが安心に進められますので、バランスが大事になります。

まとめ

いかがでしょうか？

今回は、【第2回】建て方とは？木造戸建てで最も段取りが重要な工程を徹底解説！

というテーマでお話をさせていただきました。

昔は、建て方と言ったら、お祭りのようなもので、建て方完了後に、上棟式をしてお酒を飲み、職人さんを労うような行事が行われていました。

今は、全然行われなくなりましたね。

そのため、一つ一つの現場に対しての思入れが薄くなってしまったという職人さんの意見もあり、少し寂しい気もします・・・。

地鎮祭や上棟式といった行事については、また機会に書いていきたいと思います(^^♪