新築工事の「仮設工事」とは？プロが教える重要性と基礎知識 Poncha Blog 建築・リフォーム相談所

2025仮設工事を書いても需要ないと思っていましたが、予想以上に見ている方が多くてびっくりしております。

どーも、Ponchaです(‘ω’)

建物を新築する際に、実は結構重要な工事である仮設工事。

リフォーム・リノベーションとは異なり、新築で建物を建てる際は、

更地（土地しかない状態）のため、

・インフラ（水道や電気）

・工事ができる状態（仮囲いや地盤状態）

等々、工事が円滑にできるように段取りをする必要があります！

ということで今回は、

新築工事の「仮設工事」とは？プロが教える重要性と基礎知識

というテーマでお話をしたいと思います！

仮設工事については、新築工事の規模によって大きく異なります。

今回は建売の戸建、軽量鉄骨3階建てアパート規模ぐらいでお話ししたと思います。

正直素人の方はぶっちゃけ全然わからない上に、イメージができないで。

専門的な内容ですので、今回は、

これから建築を目指す方

現場に興味がある方

などの方向けにお話をしたいと思います！

建築の本などにはあまり記載されていないような内容を書いているので、参考にはなるかと思います。

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1 仮設工事とは？
2 なぜ仮設工事はあまりフォーカスされないのか？
- 2.1 新築工事は急に決まることが多い
- 2.2 工事を正式に受注するまで具体的な発注ができない・・。
3 仮設工事の重要ポイント
4 その他の工事前にやっておかないといけない仮設工事の内容
5 まとめ

仮設工事とは？

まず仮設工事とは何か？

仮設工事とは、

建築工事の際に必要となる一時的な施設や設備を設置する工事です。

具体的には、

・足場や仮囲い、

・仮設トイレ、

・工事用電力・用水

など、工事の安全性を確保し、作業効率を上げるために設けられます。

参考程度ですが、新築の仮設工事の費用は、工事費の総額の3～5％程度が相場です。

ただ、現場の条件で大きく異なります。

特に、周辺が狭かったり、そもそも土地が狭小地だと、仮設工事の進め方に工夫が必要で、費用も上がりやすいです。

戸建てや小規模アパート程度であれば、仮設工事の金額が分かりやすいですが、

マンションのような規模が大きく、工期が長期間の場合はもっと費用がかかります。

仮設工事は、文字通りあくまで仮設なので、工事が完了したら基本撤去します。

なぜ仮設工事はあまりフォーカスされないのか？

一般の方からすると仮設工事って、どんな工事かあまりイメージできないですよね？

でも、実は建設業に携わり始めた方も、仮設工事について、実践的な資料があまりない！

と思った方、多いのではないでしょうか？

仮設工事の計画を間違えると、工事の進捗にかなり支障が出ます。

仮設工事の計画がしっかりしていれば、工事を行う職人さんのストレスも少なく円滑に進められますが、

適当な計画をしてしまうと、何をするにもやりにくかったり、小さな部分でストレスがたまり、円滑に工事が進められないんです。

そのくらい実は重要な工事なんです。

ではなぜあまり資料がないのでしょうか？

新築工事は急に決まることが多い

その背景には、そもそも新築工事というのは、急遽決まることが多いんですね！

もちろん、

『新築工事の計画が決定しました、では、○○建設会社さん、工事お願いします。』

こんな感じで依頼が来ることはほぼありません。

新築工事については、水面下で進行していることが多く、実際に「工事をお願いします」と依頼が来てから着工するまでの時間が短いケースがほとんどです。

建物を建てると決めてもすぐに工事ができるわけではありません

設計段階でさまざまな許可申請が必要
建築予定地の公示が必要
工務店などの手配も必要

こういった背景から、空いた時期に仮設工事だけを終わらせておくという流れになり、あまり表に出てこない工程となっているんです。

そして、仮設工事というのは、本体工事の工程に基本カウントされていないことが多いため、

4月1日から工事スタートします！

となれば、4月1日より前に仮設工事を終わらせておかないといけないんです。

工事を正式に受注するまで具体的な発注ができない・・。

建築の受注金額は、巨額な額が動きます。

戸建てやアパートは何千万～億の範囲で、マンションで億から何十億。

高層マンションや複合施設など大規模になれば、何十億～何百億となります。

仮に100億の工事を請け負い、利益がたった5％だったとしても5億円ですからね。

建設業の場合、個人の建物やアパート規模であれば、建設会社や工務店さんに直接依頼となりますが、

マンションや商業施設など、規模が大きくなれば、基本的には相見積もりが行われます。

受注の競争が激しく、どの会社も必死なんですね！

ただ、必ずしも受注ができるという保証がないため、具体的な段取りをすることができません。

ですが、注文者側は、お金を出す以上

・早く仕上げてもらいたい。

・納得の行くプラン、金額をギリギリまで検討する

という感じなので、その建設会社も予算を抑えるために、工期を詰めます。

結果、受注できたとしても、

すぐに工事に入らないと、完成日に間に合わない！

といった状況になります。

つまり、受注ができたら工事が入れるような段取り（仮設工事）をしておかないといけないんですね。

仮設工事の重要ポイント

少し脱線してしまいましたが、本題に入りたいと思います！

仮設工事の計画をする上で重要なポイントについてお話をしたいと思います！

下記の内容が特に抑えておいた方が良い内容になります！

・迅速な対応が必要

・現場担当者ではなく、会社が部分的に対応することが多い

・仮設水道や仮設電気の設置位置が超重要

・その他の工事前にやっておかないといけない仮設工事の内容

上記内容について、詳細を記載したいと思います！

仮設工事は迅速な対応が必要

先ほどお話をしたように、

余裕をもってこの辺から始めましょうか？

なーんて進め方が難しいです。

というのも、設計図ができたら、その通り作ればよい！

という簡易的なものではありません。

その設計が問題がないか、事前に役所に申請を出して、許可をもらう必要があります。

内容に変更があれば、それをお客さんにも伝えないといけません。

その許可が出ない限り、工事を進めることができないため、仮の工程は作りますが、申請が出るまでいったんステイという形になります。

ただ、お客さん側からは、竣工日はマストで指定されていることが多いため、

スタートが遅くなったから、竣工日を遅らせました！

というのが基本許されない状態になっています。

特に近年はそういった状態になっているイメージがありますね。

ただ本体工事を行う前には、

・仮設水道

・仮設電気

等のインフラを整えないといけませんが、これにも申請が必要です。

先ほどもお話しましたが、工事着工に仮設工事は含まれていないことが多いです。

工事着工前には、仮設工事は終わらせておく。

というパターンがほとんどのため、ゆっくり考えている時間すらないんですね。

仮設工事は現場担当者ではなく、会社が部分的に対応することが多い

新築工事の場合、大枠の予算は会社が決めますが、

そこから詳細については現場の担当者で調整したりします。

特に各業者さんの手配や工事に入るタイミングの打ち合わせは、現場担当者が決めています。

しかし、先ほど説明したように工事に入るまで時間がないパターンが多いです。

下手すると受注はできたけど、担当者が決まっていない！

ということもたまにあります。

そのため、仮設工事の段取りなどは、担当者ではなく会社の上層部でいったん手配などをしていることがあります、

そういった事情があるため、あまり仮設工事について詳細が語られていなかったりします。

本来はもっと実践的な内容として、

・仮囲いの設置の計画

・足場の配置

・仮設電気の位置

・仮設水道、仮設トイレの位置

などを事前に考えた仮設計画図が必要になりますが、この辺が結構適当な担当者が多かったりしますね。

ちなみに、マンションのような大規模の場合、この仮設計画図がしっかり練れているかで、工事効率に雲泥の差が出ます。

そのぐらい実は大事な工程なんです。

が、実情はとりあえず会社が手配している

という感じですね。

仮設水道、仮設電気の設置箇所は重要

今お話したように、仮設物をどこに設置するかを示した

仮設計画図

は非常に重要です！

特に、大きい現場では必ず総合仮設計画図を作成するほど、非常に重要な計画図になります。

なぜ仮設図が大事になるかというと、

・仮設電気

・仮設水道

といったインフラは、工事をする上で必要不可欠です。

例えば、仮設水道。

水道は、道路を洗ったりする際にも必要なため、道路に近い位置に設置することがセオリーです。

しかし、意味もなく適当に、仮設水道を道路から一番遠い場所に設置すると、

道路を洗うたびに蛇口をひねりに行ったり来たりしないといけません。

仮設電気も同様で、

電気を引き込むためには、電柱から電線を分岐させます。

何も考えず、電柱から一番遠い土地を跨ぐような位置に仮設電気を設置してしまうと、

更地の時はいいのですが、建物を建築した際、上空にある仮設の電線が建物に触れてしまうため、位置替えが必要になります。

また、外構の仕上げの箇所に仮設電気を設置すると、仕上げが最後までできない！

といった支障がでます。

このように、

・工事中に効率よく利用ができ、

・工事の邪魔にならない場所

を考慮する必要があります。

それを考えるのが仮設計画図になります。

もちろん、途中で仮設電気や仮設水道の位置を変えることはできますが、

当然費用が発生するため、基本仮設物は、やむを得ない場合を除いて位置を変えることは行いません。

事前に、どこにどう設置すれば、効率よく利用ができ、邪魔にならないかを計画する配置にしましょう！

その他の工事前にやっておかないといけない仮設工事の内容

仮設工事についてお話をすると実はもっと細かく、

・仮囲いの設置計画

・鉄板敷きの配置、枚数

・タワークレーンの配置

・ロングスパンの配置

などなど、もはやキリがありません。

今回は、戸建てやアパート規模でお話をさせていただきましたので、

鉄板敷、タワークレーンなどの大掛かりな仮設物の設置はないので省略します。

戸建てやアパート規模ですと、先ほど説明した

・仮設電気、仮設水道

・足場の配置

・仮設トイレ

・仮囲い

についての配置になります。

あとは、土地の境界を示す境界点がどこになるかなどは、事前に抑えておきましょう！

また、軟弱な地盤であれば、

・地盤改良

・鋼管杭管

といった建物の荷重で地盤沈下が起きないような対策を事前に行います。

この辺についても進め方や方法などしっかり把握しておく必要があります。

ちなみに、マンションのような大きい物件になると

・山留用のH鋼の打ち込み

・地下水位の対策

などなど、書ききれないのですが、

工事を円滑に進めるために、どういった対策をしないといけないのか？

奥が深くて、めちゃくちゃ面白いです！

考えた人天才だなーと感じますし、色々考えてきたんだなーと先代の方々には、頭が上がらないですね。

今回は、本体工事の工程を作る上で事前に知っておかなければいけない仮設工事についてのご説明ですので、別の機会に大きい現場での仮設工事についても書きたいと思います！

まとめ

いかがでしょうか？

今回は、新築工事の「仮設工事」とは？プロが教える重要性と基礎知識

というテーマでお話をさせていただきました。

かなり専門的なお話なのですが、正直かなり大雑把にお話しをしました。

仮設工事について、建築基準法に則った内容の本はいろいろありますが、今回のような仮設工事はどういったことをすればよいのか？という本や情報って意外と少ないんですね。

私も初めて現場配属されたとき何をしていいかわからないし、情報もないし、なにをすればいいんだ？って思ってましたね(笑)

結局、現場を何回も経験して覚えていきましたが、めっちゃコスパが悪い(笑)

かなり大きい規模の物件の総合仮設計画については結構あるんですけど、中小規模の物件の仮設計画についての参考書や本が全然ないんですよね。

こういったちょっとしたことでも気になることがあればご相談乗れますので、お問い合わせいただければと思います。